「モンテッソーリ教育の敏感期ってどういうもの?」
「敏感期について詳しく知りたい!」
「敏感期には具体的に何をすればいいの?」
0〜6歳の幼少期に訪れる敏感期というもの。
モンテッソーリ教育に興味がある方であれば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
子どもの成長にとって、敏感期はとても大切な時期なんだ。
敏感期に適切な知育をすることで効率的に発達促進ができるだけでなく、
自立心や自己肯定感の向上など、大人になってからのメリットも沢山あります。
貴重な時期に出来ることは極力してあげたいよね。
本記事では、この貴重な敏感期について詳しく解説していきます!
- 敏感期の概要
- 各敏感期の種類とサイン
- 敏感期を理解するメリット
- 敏感期の子どもへの向き合い方
今の子どもの状況と照らし合わせてみることで、「今この子はこの敏感期なんだ!」というように、新たな気付きも見つかるかもしれません。
敏感期についての理解が深まれば、子どもの状況に合わせて適切な知育ができるようにもなります!
本記事では、敏感期についてわかりやすく解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
30代の1児の父。子どもの発達に不安を感じ、知育玩具に興味を持つ。
様々な種類の知育玩具やモンテッソーリ教具を実際に体験した経験をもとに、リアルなレビューや情報をわかりやすくお届けしていきます。
敏感期とは、特定の分野の感受性や吸収力が高まっている時期のこと
モンテッソーリ教育の創始者であるマリア・モンテッソーリは、子どもが成長する過程で敏感期という期間があることを提唱しました。
敏感期…?それってどんな期間のことなの?
敏感期というのは、子どもが特定のスキルや知識を学んで吸収するのに最も適した時期のことだよ!
敏感期の子どもは、ある特定の物事や経験に対しての感受性が極めて高くなっており、子どもが自ら学び急成長していきます。
例えば、「言語の敏感期」という期間に入った子どもは言葉に対する感受性が高くなっているので、
周囲の言葉や発音などを自ら敏感にキャッチして、新しい言葉や正しい発音などをどんどん吸収し、凄まじい速度で学んで成長していくということですね。
敏感期を理解しておけば、子どもの成長を効果的にサポートすることができるよ!
なるほど…!そんな期間があるんだね!
敏感期の特徴をまとめると以下の通りです。
- 自分でやりたがる
- 集中して静かになる
- 同じことを繰り返す
- 感情の変化が激しい
- 集中力や好奇心が向上する
- 特定のスキルが急成長する
- こだわりや自己主張が増える
- 0〜6歳の間に1度だけ訪れる
上記のような敏感期の特徴を理解しておくことで、子どもに適した環境作りや接し方、教材やおもちゃなど、サポートの仕方を明確にすることができます。
次項からは、全9種類ある敏感期の詳細と、そのサインについて詳しく解説します。
9つの敏感期とサインについて
敏感期って9種類もあるの!?
敏感期ごとに期間や特徴も異なるから、それぞれ詳しく解説していくね!
モンテッソーリ教育における敏感期の早見一覧表
以下の記事では各敏感期におすすめな知育玩具もご紹介しております。
それでは、各敏感期について詳しく解説していきます。
1.言語の敏感期(胎内7ヶ月~6歳)
この時期の子どもは、言葉やコミュニケーションのスキルを自然に身に付けていきます。
筆者も驚いたのですが、言語の敏感期は胎内にいる時から既に始まっているということ。
胎内の赤ちゃんは、24〜26週あたりで聴覚機能ができあがり、この頃から外の音などを敏感に感じ取るようになるんですね。
周りの発語を真似する
話している人の表情や口元を見つめる
言語の敏感期におすすめのサポート方法の一例は以下の通りです。
- 絵本を読み聞かせる
- オノマトペを取り入れる
- 積極的にコミュニケーションを取る
- 言葉遊びや歌など、言葉とリズムを使った遊びを取り入れる
犬をワンワンと呼ぶようなオノマトペを取り入れたり、絵本を音読したり、言葉を発声するコミュニケーションや遊びを積極的にするのがおすすめです。
その時はまだ言葉を全く話さない状況でも、子どもは情報を常日頃からインプットして蓄積しています。
突然言葉を話し始める言葉の爆発期に向けて、どんどん言葉を使うシチュエーションを増やしてあげるといいですよ。
2.感覚の敏感期(0~6歳)
感覚器官の中でも特に刺激されやすいのが、この感覚の敏感期。
日常生活の中でも、テレビを観る、食べ物の匂いや味を感じる、生活音を聴く、物を触るなど、常に五感は刺激を受けています。
五感が刺激されることによって、脳内の情報を伝達するための細胞同士の接続点(シナプス)が作られていき、
上手く情報伝達ができるようになることで、子どもはどんどん発達していきます。
なんでも触りたがる
なんでも口に入れる
感覚の敏感期におすすめのサポート方法の一例は以下の通りです。
- 新しい物や新鮮な体験による刺激
- 五感を刺激する遊びや知育玩具の導入
より五感を刺激していくためにも、初めて行く場所や触る物、考えて遊ぶ知育玩具など、刺激が与えられる物や体験をすることがおすすめです。
3.秩序の敏感期(6ヶ月~4歳)
筆者の子どもの場合、最近車のおもちゃを並べるのにハマっていますが、これも秩序の敏感期の一種です。
自分の中に順番やルールなどの概念が芽生え、こだわりが出始める時期ですね。
大きさ順に並べる・積む
いつもと違う帰り道だと怒る
いつもと洋服を着る順番が違うと怒る
秩序の敏感期におすすめのサポート方法の一例は以下の通りです。
- 具体的な指示を出す
- 整理整頓の習慣を促す
- ルールや順番を学べる知育玩具の導入
- 食事や寝る時間などのルーティンをある程度一定に保つ
子どもの中で様々なシーンでのこだわりが強くなっている時期なので、
大人からすると何に対してイヤイヤしているかが理解できないことが沢山出てくる難しい時期でもあります。
全部理解するというのは難しいですが、何をした時に不機嫌になったのか、それが秩序の敏感期に当てはめられるのかどうかを考えて見るとヒントが見つかるかもしれません。
4.運動の敏感期(6ヶ月~4歳半)
日常生活を過ごす上で必要な運動機能を発達させていく時期です。
この敏感期は全身運動と微細運動に分けられます。
全身運動(全身を動かす運動)
歩く・走る
ずり這い・ハイハイ
微細運動(手や指を使う運動)
隙間や穴に物を入れる
ティッシュをひたすら出す
食べ物やおもちゃを投げる
運動の敏感期におすすめのサポート方法の一例は以下の通りです。
- 公園などの運動できる場所に行く
- 指先を使ったり、微細運動ができる知育玩具の導入
とにかく走り回ったり全身を動かすのが好きなら外遊びを増やしたり、指先を使って集中して遊ぶようならルーピングのような知育玩具を取り入れてみるのもおすすめです。
5.小さいものの敏感期(1~3歳)
この時期には、小さいものを扱ったり、細かい作業をする能力が急速に発達します。
パズルのピースをはめたり、ペンを持って絵を描いたりなどもその一例です。
落ちてる小さいゴミを拾う
外にいるアリをじっと眺める
小さいものの敏感期におすすめのサポート方法の一例は以下の通りです。
- 小さいパーツを使う遊びの導入
- 興味を示したら出来るだけ見守る
指先を使う知育玩具や遊びを取り入れることで、脳に刺激を与えることができるのでおすすめです。
また、子どもの興味を促進するために、出来る限り見守ってあげるといいでしょう。
6.書くことの敏感期(3~5歳)
指先が発達してきてペンが持てるようになると、実際にボードに線を描いたり、スタンプを押してみたりすることに興味を持つようになります。
大人が書いていると興味を示す
書くことの敏感期におすすめのサポート方法の一例は以下の通りです。
- お絵描きボードの導入
- 大人が実際に書くお手本を見せる
- 子どものサイズに合った机や椅子など環境の整備
- 色鉛筆、クレヨン、マーカー、筆など色んな種類に触れさせる
実際に書くことに興味を持ち始めたら、書くことに集中できるサポート環境を提供してあげましょう。
色んな種類の筆を用意してあげると興味を促進できておすすめです。
7.数の敏感期(3~6歳)
外出先で数字を見かけると、ひたすら読み上げるなど、数字に関する興味が出てくる時期です。
時計やカレンダーを見て数字を読みたがる
車のナンバーなど数字を見ると読みたがる
数の敏感期におすすめのサポート方法の一例は以下の通りです。
- 数に関する質問を投げかける
- 数字を使った遊びや知育玩具の導入
- 日常生活で意識的に数字に触れさせる機会を作る
「今何時?」「これ全部で何個ある?」など、数字に関する質問をして、積極的に数字に触れさせる機会を作ってあげるのがおすすめです。
また、数字を学べる知育玩具も導入してあげるといいでしょう。
8.文化・礼儀の敏感期(3~6歳)
「こんにちは」「いただきます」「さようなら」「ありがとう」など、
共同生活を過ごす上での礼儀やマナーを身に付けていく時期です。
挨拶や食事のマナーを真似する
文化・礼儀の敏感期におすすめのサポート方法の一例は以下の通りです。
- 挨拶や礼儀に関する絵本や教材の導入
- 食事や挨拶など、マナーや正しい習慣のお手本を見せる
文化・礼儀の敏感期に身に付けた礼儀や作法をベースに育っていくため、この時期に大人が正しい挨拶やマナーのお手本となり、学ばせてあげることがとても大切です。
9.読むことの敏感期(4~5歳半)
文字や単語を見つけると読み上げようとしたり、絵本や標識、パッケージの文字に注目したりするようになります。
全部で9種類ある敏感期の中でも一番期間が短い貴重な敏感期なので、見逃さないようにしたいです。
看板の文字を見て読みたがる
言葉の意味や使い方に対して質問する
読むことの敏感期におすすめのサポート方法の一例は以下の通りです。
- 本の読み聞かせ
- 読書の習慣作り
- 落ち着いて読書ができる環境作り
- 子どもの月齢や興味に合った本の用意
例えば、絵本を頻繁に読んであげたり、一緒に本を選んだりすることで、読書に対する興味をさらに引き出すことができます。
この敏感期をうまく活用することで、子どもの読む能力を自然に育みながら、読む習慣作りをすることができるでしょう。
\敏感期にはとても大きな個人差があります/
周りの同じ月齢の子どもが早めに敏感期に入ったりすると、うちの子は発達が遅いのではないかと焦ってしまうこともあるかと思いますが、子どもによって興味や好き嫌いも異なります。
どの敏感期なのかを理解して、子どもの興味に合わせたサポートをしてあげることが大切です。
各敏感期の期間はあくまで参考程度に考えよう!
尚、各敏感期におすすめな知育玩具は以下の記事で紹介しております。
子どもの発達に合わせてプロが選定する高価なモンテッソーリ教具などをレンタルできるおもちゃのサブスクレビューは以下の記事をご覧ください。
敏感期を理解する5つのメリット
1.子どもの敏感期を逃さず、能力を引き出せる
大人が敏感期の特徴やサインを理解しておけば、何気ない子どもの行動が各敏感期のサインに当てはまることに気付くことができます。
- いつもと違う帰り道を嫌がる → 秩序の敏感期
- ひたすらに数字を読み上げる → 数字の敏感期
- 看板の文字を見て読みたがる → 読むことの敏感期
などなど…
一見何気ない行動やわがままに見えることでも、子どもは敏感期のサインを出しています。
大人が子どもの行動を見守りつつ、各敏感期に合った適切なサポートや環境作りをしてあげることで、能力を最大限に引き出してあげましょう!
2.周りの成長と比較しなくていい思考になれる
子どもの発達スピードには大きな個人差があります。
敏感期も例外ではなく、いつから、どの敏感期に入るのかは個人差があるのです。
子ども自身が言葉に強く興味を持っていれば話し始めるのも早いですし、
動き回ることに興味があるのならば、歩いたり走り始めるのも早くなりますよね。
子どもが今、何に興味を持ち、どの敏感期に重きを置いているかによって成長スピードや得意分野が大きく変わってくるので、大人としてはそれを理解してサポートするというところに集中できます。
子どもの興味があることも、もちろん個人差があるからね。
3.敏感期に合わせた適切な環境を用意できる
敏感期に合わせた環境が用意できれば、効率的に子どもの特定の能力を伸ばすことができます。
例えば、子どもが何かを大きさ順に並べていたとします。
敏感期を知らなかった場合、「順番に並べたの?すごいね!」で終わりかもしれませんが、
敏感期を知っていた場合は、秩序の敏感期ということに気付けるので、例えば積み重ねカップなど、順番やルールが特徴の知育玩具を用意してあげるなどのサポートができます。
4.子どもの行動に理解が生まれ、余裕ができる
すぐに癇癪を起こしたり、イタズラや理解できない行動が多かったりするのが敏感期の子どもの特徴でもあります。
例えば、筆者の子どもだと、最近小さいゴミをひたすら拾って食べさせようとしてくるという行動があるのですが、
これが小さいものの敏感期のサインだと知らなければ、「余計なことはやめて〜!」という気持ちになったかもしれません(笑)
ですが、敏感期を理解しておくことで「今は小さいものに興味があるんだなぁ…」と納得して子どもの行動を見守ることができるようになりました。
子育てにおいて、少しでも心に余裕ができるのは大人にとってもメリットがあるよね!
5.自己肯定感が高い子に育つ
大人が子どもの敏感期を理解することは、子どもの自己肯定感を上げるために重要なポイントです。
- 適切な環境で学んで成長を実感しやすくなる
- 各敏感期のレベルに合った課題をクリアすることで成功体験を積める
- 大人が子どもの行動に理解を示すことで、自分を理解してくれていると感じる
このように適切なサポートや接し方をしてあげることで、自己肯定感が高い子どもに育てることができます。
敏感期の子どもは何かとストレスやフラストレーションが溜まりやすい時期でもあるので、
大人が上記のことを理解して、過度なプレッシャーを与えずに、子どもが安心して学んでいけるようにサポートしていけると良いでしょう。
敏感期の子どもと向き合う5つのポイント
1.できる限りやらせてあげる
敏感期は子どもが自ら特定のスキルを伸ばしたいと積極的に学ぼうとしている時期なので、できる限りやらせてあげる(挑戦させてあげる)ことが大切です。
自分で挑戦することで、試行錯誤して思考力や集中力が上がったり、新しいことができるようになれば自己肯定感の向上にも繋がります。
考える力や学習意欲を上げていくためにも、大人が全部やってしまうのではなく、できる限り子ども自身に挑戦させてあげる機会を与えてあげるのがおすすめです。
もちろん時間がない時もあるから、できる限りでね!
2.環境を整えてあげる
これまで本記事でお伝えしてきた通り、各敏感期に合った環境を整えてあげることがとても大切です。
「好きこそ物の上手なれ」ということわざの通り、敏感期に興味があることはどんどん吸収して成長していきます。
感受性や吸収力が高い時期を見逃さず、より沢山のことを学べる環境やおもちゃなどを与えてあげると良いでしょう。
3.教える時はゆっくり
敏感期の子どもは、学びたいことに対して強い興味を持っていますが、その学びの過程はゆっくりと進むことが多いです。
教える際は、焦らずに丁寧に説明し、子どもが理解するペースに合わせて進めましょう。
教える大人側からしても、落ち着いて接することができるメリットもあります。
4.ある程度手伝わずに見守る
子どもが自分で解決する力を養うことが重要なので、ある程度の試行錯誤や失敗を経験させることも成長する上で大切な経験になります。
大人が手を貸しすぎずに、ある程度自分の頭で考えることを習慣にすることで問題解決能力を身に付けていきましょう。
失敗→何がいけなかったのか考える→成功という体験は、大人になってからも非常に役立つスキルになるはずです!
5.安全で適正サイズのものを与える
子どもが安心して使えるものを用意することで、学びやすい環境を作り出すことができます。
適切なサイズや形のものは、子どもがスムーズに取り組む手助けとなり、興味を持ち続けるための重要な要素です。
怪我の危険があったり大きすぎたりしたら、心配だしすぐ興味もなくなっちゃうよね…
【まとめ】敏感期の特徴や表を参考にしてモンテッソーリ教育を始めよう!
本記事では、敏感期について解説してきたよ。
子どもの成長にとって大切な時期!
大人が敏感期を理解した上で、適切な環境を用意して上げることが重要だね!
貴重な敏感期に適切な教育環境を用意することができれば、子どもにとって良い影響を与えてくれます。
親としても、子どもにはどんどん健やかに育って欲しいと思いますよね。
各敏感期毎に特徴が異なるので、しっかりと子どもの様子を観察して、敏感期を見逃さないようにしましょう。
ここまで見てくれてありがとう!
今回は以上です。
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